独楽(こま)文様 〜〜大河「べらぼう」 大文字屋市兵衛の衣装より

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吉原 妓楼ぎろうのランク

吉原の妓楼ぎろうは、格の違いから3つに分けられていました。

1番格上は「大見世おおみせ」。ほんの数軒しかありません。
客はまず、主人公の蔦重つたじゅうが育った駿河屋の様な「引手茶屋ひきてぢゃや」で酒や食事をし、その後、「大見世おおみせ」の妓楼ぎろうに行くことができます。
店は大きく、揚代あげだい(遊女と遊ぶお金)も高く、特別な客しか通うことができませんでした。
2番めの格の妓楼ぎろうは「中見世ちゅうみせ」。
引手茶屋ひきてぢゃやを通さなくても遊ぶことができ、値段も中程度の金額でした。

1番格下の妓楼ぎろうは「小見世こみせ」。
誰でも安い揚代あげだいで遊女に会えました。

大文字屋市兵衛だいもんじやいちべえ

ドラマでは主人公蔦重つたじゅうから「かぼちゃの親父様」と呼ばれている大文字屋市兵衛だいもんじやいちべは、吉原の妓楼ぎろうの主人です。
小さな下級妓楼(小見世こみせ)を立ち上げて、中級(中見世なかみせ)まで大きくした、いわばがり者。

市兵衛はたいそうなケチで、遊女たちに米は勿体もったい無いと南瓜かぼちゃを食べさせていたため、“かぼちゃ”という渾名あだながついていたとか。
頭の形が南瓜かぼちゃに似ていたからと云う説もあります。
市兵衛を揶揄やゆして、こんな歌ができたそうです。

ここに京町大文字屋だいもんじやのかぼちゃがいるよ。
その名は市兵衛
背が低くて ほんに 猿にそっくりのまなこ
よいわいな よいわいな

ここに京町大もんしやの
かぼちやとて
その名は
市兵衛と申ます
せいかひくゝて
ほんに 猿まなこ
よいわいな よいわいな

け目のない市兵衛さん。
この歌を逆手さかてに取って、自ら踊りながら歌いました。
人々は面白がり、ついに江戸中で歌われる様になったそうです。

タダで、大文字屋を大々的に宣伝したのでした。

独楽こま文様

大河ドラマの中での市兵衛の衣装は全て、南瓜かぼちゃ色の独楽こま文様でした。

独楽こま文様

独楽こまは、奈良時代には大陸から日本へ伝わっていたと考えられています。
江戸時代、武士の子供たちに人気の遊びでした。

くるくる回ることから、独楽文様には「頭の回転が良くなる」「お金が回る」「運が回って良くなる」などの意味があります。
また、独楽の芯がまっすぐ通っていることから「信念を貫く」という意味もあります。
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